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2006年4月 9日 (日)

原状回復

大阪府では、賃貸住宅における退去時の原状回復を巡るトラブルを防止するために、契約時よりも以前の物件紹介の段階で物件を探している顧客に原状回復義務について情報開示を進めることにしたそうです。

取り組みの方針は以下のとおりとのことです。

①事業者による物件紹介の段階における個々の物件の原状回復義務の内容についての情報開示

②事業者による契約時における原状回復義務の内容についての説明

③借主への基本的知識の周知・啓発

具体的な取り組みは以下のとおりとのことです。

①物件情報の事前開示の促進として、仲介業者が店舗掲示板などに個々の物件を紹介する際、その物件の原状回復義務の内容を表示・説明する。例えば、通常損耗・経年劣化の回復費用を借主に負担させる場合は『特約型』、通常損耗・経年劣化は賃料に含まれる場合は『原則型』として表示する。また、『事前表示推進店舗』のステッカーを店頭に掲示する。

②契約時の説明の促進として、原状回復義務の内容について、原則と異なる特約がある場合は、契約書の特約条項を示しながら説明する。

③パンフレット・小冊子の作成・配布。原状回復の基本原則や賃貸借契約に関して、注意すべき事項を分かりやすく記述したパンフレットを作成する。また、小冊子も作成し、パンフレットとともに消費者関係窓口や不動産店舗などで配布する。

④事前開示促進の取り組みに関する情報提供をする。

関西地方では、これまで敷引きと言って、入居時に預かった敷金のうち一定額を補修などのために退去時に差し引く賃貸慣行が行われてきましたが、近年、この敷引き特約は消費者契約法により無効であるとの判決が出ています。

さらに今回の大阪府の物件紹介時に情報開示というシステムが機能することによって、市場で敷金の特約が淘汰されていくことを期待してます。

ただ、紹介された物件がすべて『特約型』であった場合は、消費者は選択の余地がなく市場での淘汰が期待できません。万が一、このような自体が多く発生した場合にこそ、司法書士が市民の側の法律家として声をあげていかなければいけないと思います。

規制緩和によって、事前規制から事後救済へと変容し、同時に自己責任、自由競争社会と移ってきていますが、消費者に選択の余地や判断材料が無ければ、自由競争社会は成り立たず、自己責任を問うことはできないと考えます。

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コメント

賃貸物件のこの問題はなかなか難しいでしょう。
特に関西地方における敷引きの問題の解決は大変だと思います。何年も賃貸にしている家主の意識権利はどうでしょうか?若い人は比較的に理解しやすいでしょうが、昔から賃貸物件を持っている人達の意識改革はなかなか難しいのでは・・・
少しずつでも良い方向に向かうといいですね。
いろいろと情報開示が進んでいく事は良い事です。

投稿: 海子 | 2006年4月10日 (月) 09時54分

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