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2007年2月23日 (金)

支部研修事前課題(おまけ)

ブログを始めて初めてシリーズものにした事前課題の検討ですが、あくまでも個人的に検討しただけであり、間違っている可能性があることを申し添えます。

さて、事前課題にはありませんでしたが、実務においては根抵当権設定者である会社が破産をして実体上元本確定しており、保証会社から代位弁済を原因として根抵当権移転登記をするために元本確定登記をしなければいけないというケースが多くあります。

これまでの検討によれば、このケースは元本確定登記と根抵当権移転登記を併せて申請すれば根抵当権者が元本確定登記を単独申請できます。

しかし、実際には根抵当権の取得に関する手続が遅れる等の理由で移転登記に先立って元本確定登記をして欲しいという依頼があります。

この場合には、根抵当権者からの元本確定請求を内容証明郵便で行う方法によりますが、確定請求を会社の破産管財人に対してすることになり、破産管財人に確定請求が到達した日を原因日付として元本確定登記申請を行います。

この確定請求に矛盾があるのに気付いたでしょうか。つまり、会社が破産した時点で確定の効力が生じているのに、その後に確定請求をする行為は、実体上は何ら効果が生じないのではないかということです。

この矛盾について、登記研究(テイハン)の平成18年12月号に記載があり、以下のような事情を総合的に考慮して「たとえ実体上の元本確定と登記記録上の元本確定とで齟齬が生じる可能性があったとしても、実体上、元本が確定したことが(確定日のいずれかはともかく)覆滅する可能性がないのであれば、破産手続開始決定の後にされた元本確定請求を原因として元本確定の登記を申請することを認めることが相当と解される」としています。

① 根抵当権者からの確定請求が民法改正により新設された趣旨

② 元本確定登記ができずに根抵当権の処分の登記ができないという不都合

③ 実体との齟齬が生じ得るとしても、元本確定の登記は確定の事実を公示するものにすぎないので、これにより実体上何らかの不都合が生じることも考え難いこと

④ 不動産登記簿上元本確定事由が既に存在していることが必ずしも明らかでなく、その後にされた確定請求を原因とする元本確定登記申請を受理せざるを得ないことになる実情

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支部研修事前課題⑥

【事例】
 不動産A

    所有者:甲

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

 不動産B

    所有者:乙

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

【問題1】

根抵当権者Xは、Zから代位弁済を受けようと考えている。根抵当権の元本を確定させ、債権の移転とともに根抵当権を移転させたいが、所有者甲の協力が得られない。この場合に、元本確定請求をする具体的な方法は何か。

【解答案】

民法第398条の19第2項に「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する」と規定されており、本問はこの確定請求の具体的方法を問うている。

根抵当権者からの確定請求は民法の改正により平成16年4月1日から認められるようになったが、この改正の趣旨は「根抵当権により担保された債権の譲渡を円滑に行うために、簡便で確実にその元本を確定させることができるようするため」であり「根抵当権者の意思表示によって元本を確定させることを認めたとしても、その意思表示は、根抵当権者にとっては、後に生じる債権が当該根抵当権によって担保される利益を放棄することになるので、債務者及び根抵当権設定者に不利益を与えることにはならない」ということである。

この民法の改正とともに不動産登記法も改正され、根抵当権者からの確定請求による元本確定の登記については、不動産登記法第119条の9(現不動産登記法93条)の規定により、確定請求を証する書面を申請書に添付する場合には、根抵当権者が単独で申請することができるとされた。

したがって、改正の趣旨からも、確定請求は不動産登記の添付書類としての要件を満たしている必要がある。

改正当時の通達によると、確定請求権は根抵当権設定者の確定請求権と同様に形成権であり、根抵当権の意思表示が相手方に到達したときにその効力が生じるため、登記申請の添付書類としては、「元本の確定を請求する旨のほか、当該請求に係る根抵当権の設定登記がされた物件の表示並びに当該設定登記の申請書の受付年月日及び受付番号が記載されたもので、かつ、当該請求が配達証明付き内容証明郵便により行われたことを証するものでなければならない」とされている。

【問題2】

甲が行方不明の場合は、どのような方法があるか。

【解答案】

甲が行方不明の場合や受け取りを拒否する場合というのは、実務上悩ましい問題である。

根抵当権者からの確定請求権は形成権と考えられ、その意思表示が根抵当権者に到達した時にその効力が生じると考えられる。そこで、行方不明や受け取り拒否の場合に到達したとされるようにする方法を検討すればよいことになる。

まず、行方不明の場合、民法98条に公示による意思表示の規定があるため、この手続により以下のとおりの方法が考えられる。

① 公示送達に関する民事訴訟法の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載する

② 公示に関する手続は、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄で行う

この公示による意思表示により官報に掲載した日から二週間を経過した時に、相手方にその意思表示が到達したものとみなされる。登記申請書では、その官報の写しが添付書面となる。

次に、受け取り拒否の場合、過去の判例によると正当な理由がなく受領を拒絶した場合は本来到達するはずだった時に到達したものとみなすと判断しており、配達証明付き内容証明郵便がその受領を拒絶された場合は、受領を拒絶された旨が記載されて、差出人に返却される取り扱いである。登記申請書では、受領を拒絶された旨の記載がある配達証明付き内容証明郵便と内容証明郵便の謄本が添付書面となる。

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2007年2月22日 (木)

支部研修事前課題⑤

【事例】
 不動産A

    所有者:甲

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

 不動産B

    所有者:乙

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

【問題1】

不動産Aについて、W税務署から滞納処分による差押登記がされた。根抵当権者X又はYは単独で元本確定登記をする場合、登記原因証明情報は何か。

【解答案】

本問の場合、民法第398条の20第1項第3号の確定事由に該当する。つまり、根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押があったことを知った時から2週間経過したときに元本は確定することになる。そして、不動産登記令の別表によると添付情報は「国税徴収法第55条の規定による通知を受けたことを証する情報」となっている。

この点について、登記先例(平10.10.23、民三第2,069号)があり、要約すると以下のとおりである。

① 催告等を受けたことを証する書面は、税務署長等から根抵当権者に対して送付された債権届出の催告書若しくは差押通知書をいう。

② 催告書等には、催告書等の発出年月日のほか、競売又は差押に係る物件の表示が記載されていることを要する。

③ 元本の確定の登記の申請書に催告等を受けたことを証する書面が添付されていないときは申請を却下する。

④ 申請書に記載された元本の確定の年月日が催告等を受けた書面の発出年月日の翌日から起算して2週間を経過するより前の日であるときは申請を却下する。
よって、具体的な登記原因証明情報は、①の催告書若しくは通知書ということになり、②~④の要件を満たしていないと登記申請は却下されるということになる。

なお、民法では「知った時から2週間経過」となっているが、登記申請書には「知った時を証する書面」の添付は必要ない。

私見として、2週間以上前の日付の差押の登記が載っている登記事項証明書も登記原因証明情報の要件を満たしているように思うのだが・・・。

【問題2】

問題1の場合、元本確定登記のみを申請することはできるか。

【解答案】

不動産登記法第93条に規定されてるとおり、この場合に根抵当権者の単独申請で元本確定登記をするためには、根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。理由は、民法第398条の20第2項に「・・・差押え・・・の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす。ただし、元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない」と規定されているためである。元本確定登記のみを申請することが出来ないとしたのは、根抵当権者が単独で申請した元本確定登記を差押の効力が消滅した際に根抵当権者と根抵当権設定者の共同申請により抹消しなければならないとすることは、元本確定登記に関与していない根抵当権者に負担を負わせることになり相当でないと考えられるからである。

【問題3】

根抵当権者XがZから代位弁済を受けた後、滞納処分による差押が抹消された。Zは、代位弁済による根抵当権移転登記を受けられるか。

【解答案】

本問の論点については、根抵当権者と代位弁済をした第三者のいずれを保護すべきかという観点から解釈が分かれるところであり、平成10年12月10日付で弁護士法第23条の2に基づく照会がなされており、それに対する回答という形で登記先例(平11.3.30、民三第642号)がある。

先例の要旨は以下のとおりである。

① 差押を受けて2週間以上の期間を経て、当該根抵当権の被担保債権について債権譲渡契約を締結した後、不動産登記法第93条(当時の119条の9)に基づき根抵当権者の単独申請による元本確定と根抵当権移転登記を申請する際、申請時において、既に元本確定の原因たる競売の申立が取り上げられているが、これに基づく差押登記の抹消が魅了である場合、元本確定登記と根抵当権移転登記は受理される。

② ①の場合に、申請時において、競売の申立の取下げを原因とする差押登記の抹消が完了している場合でも、元本確定登記と根抵当権移転登記は受理される。

③ ①と②の場合において、根抵当権移転の登記を申請する際、競売の申立の取下げ前に債権譲渡がされていたことを証するため、債権譲渡契約書等の添付が必要である。

④ ③において、債権譲渡契約に関して対抗要件を具備(通知又は承諾)したことを証する書面の添付は必要ない。

したがって、本問題の場合も根抵当権移転登記を受けることができ、競売の申立の取下げ前にされた債権譲渡契約書等が登記原因証明情報になる。

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フルコース?

今日は、午後からずっと外出していました。

春のような陽気の中、車を走らせ、土岐市役所に書類を提出 → 多治見市の地方裁判所で書類作成業務を受任した本人訴訟の傍聴 → 多治見市の家庭裁判所に相続財産管理人の報告書提出 → 多治見市の簡易裁判所に書類提出 → 再び地方裁判所で清算人選任についての打合せ → 多治見市の公証人役場で定款認証の依頼 → 多治見市の法務局に申請書提出と受領 → 瀬戸市の法務局で登記完了の受領 → 春日井市の法務局で登記完了の受領 → 小牧市の銀行に書類をお届け → 多治見市の公証人役場で認証後の定款受領 といった具合でした。

市役所、裁判所、公証人役場、法務局、銀行と普段司法書士が行くところをフルコースで回った感じです。スムーズに回れて満足でした。

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支部研修事前課題④

【事例】
 不動産A

    所有者:甲

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

 不動産B

    所有者:乙

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

【問題1】

不動産Aについて、根抵当権者Xの差押(競売開始決定)登記がされた。根抵当権者Xが代位弁済を受ける場合、不動産A・Bに対し、元本確定の登記が必要か。

【解答案】

民法第398条の20第1項第1号に「根抵当権者が抵当不動産について競売・・・による差押えを申し立てたとき。ただし、競売手続・・・の開始又は差押えがあったときに限る」と規定されており、本問の場合、不動産Aに差押登記がされているため根抵当権は確定している。不動産Bについては、民法第398条の17第2項により共同担保の場合「一個の不動産についてのみ確定すべき事由が生じた場合においても、確定する」と規定されているとおり確定している。

しかし、不動産Bについては、登記簿上確定していることが明らかといえないため、元本確定登記をしなければ代位弁済による根抵当権移転登記をすることができない。

【問題2】

根抵当権者Yが代位弁済を受ける場合はどうか。

【解答案】

民法第398条の20第1項第3号に「根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき」元本が確定すると規定されている。この二週間の起算点はまさに「知った時」であり「差押の登記がされた時」ではなく、知る手段については制限がない。通常は、裁判所書記官からなされる競売開始決定の通知を受け取ったときである。

本問のように根抵当権者以外の者の申立てによる差押の場合、根抵当権者Yの意思に基づくものではないから、差押の効力が消滅したときは、原則として元本は確定しなかったものとみなされる。

ただし、差押の効力が消滅する前に元本が確定したものとして、その根抵当権を取得した者がいるときは元本は確定したものとして取り扱われる(民法第398条の20第2項)。
これを受けて不動産登記法第93条では「・・・当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せて・・・」申請した場合には当該根抵当権の登記名義人が単独で元本確定登記を申請できるとしている。

【問題3】

根抵当権者Xが競売を取下げ、差押登記が抹消された。根抵当権者Xが、代位弁済を受けていた場合に不動産Aについて確定登記は必要か。

【解答案】

民法第398条の20第2項に「競売手続の開始若しくは差押え又は同項第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす」と規定されているが、根抵当権者自身が競売を申立てた場合は除外されている。よって、本問の場合も根抵当権は確定したままである。

次に代位弁済を受けるにあたり確定登記を要するか否かについては、差押が抹消されたとして登記簿上根抵当権の元本が確定していることが判明するから、代位弁済による移転登記の前提として、元本確定の登記をすることを要しない。

さらに、このケースで根抵当権者Yが代位弁済を受けていた場合に不動産Aについて単独で確定登記申請ができるか否かについては登記先例(平11.3.30、民三第642号民事局第三課長回答)があり「・・・当該根抵当権の被担保債権の譲渡が競売開始決定を原因とする差押登記が抹消される前にされているときは、(単独申請を)受理することができる。」とされている。

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2007年2月21日 (水)

支部研修事前課題③

【事例】
 不動産A

    所有者:甲

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

 不動産B

    所有者:乙

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

【問題1】

甲が破産手続開始の決定を受け、不動産Aに破産の登記がなされた場合、1番根抵当権と2番根抵当権はそれぞれどうなるか。

【解答案】

民法第398条の20第1項第4号により、根抵当権は「債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき」に確定する。しかし、民法第398条の20第2項により、「破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす」とされている。さらに但書きで「元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない」とされている。

これを本問に当てはめてみると破産の登記がなされたという時点で、根抵当権者Xの根抵当権については債務者兼設定者である甲の破産であり、根抵当権者Yの根抵当権については設定者甲の破産であるため、両方とも確定することになる。

なお、民法第398条の17第2項により共同担保の場合「一個の不動産についてのみ確定すべき事由が生じた場合においても、確定する」とされている。

【問題2】

根抵当権者Xは、債務者甲の保証人Zから代位弁済を受けた。不動産A・Bの根抵当権についてXからZへの移転登記はどのようにしてやるか。

【解答案】

代位弁済による根抵当権移転の前提として、根抵当権が確定している必要がある。本問の場合、甲についての破産の登記がなされているため、不動産Aは確定事由が登記簿上明らかであるため確定の登記は不要である。しかし、不動産Bについては、根抵当権移転登記の前提として、設定者乙と根抵当権者Xとの共同申請により元本確定登記をする必要がある。

ここで、実務上しばしば問題になるのが、不動産Bの所有者である乙から委任状がもらえない(理由はさまざまである)ということである。

根抵当権設定者が確定登記に協力しない場合には「判決による根抵当権者の単独申請」「判決による代位弁済者の代位権行使」「根抵当権者による競売申立」が考えられるがいずれの方法も手続が煩雑であることから不動産登記法第93条に根抵当権者からの単独申請に関する特例が設けられている。

単独申請ができるケースは以下のとおりである。

A 根抵当権者が担保すべき元本の確定を請求した

B 根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過した

C 債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けた

B及びCの場合には、元本確定登記と根抵当権移転登記の申請を併せて行う必要がある。

本問の場合、Cに該当するため、XからZへの移転登記と併せて元本確定登記を行うことによって、乙の協力が得られなくてもX単独で元本確定登記ができる。

【問題3】

甲が会社の場合はどうか

【解答案】

平成17年1月1日に施行された破産法第258条により破産者が個人でない場合は、商業登記簿に破産登記がされるだけで不動産登記簿には破産の登記がなされない。したがって、不動産A、不動産Bの双方とも登記簿上元本確定が明らかでないことになる。

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支部研修事前課題②

【問題2】

所有者兼根抵当権の債務者である甲について、相続人丙(他の相続人は丁・戊)に相続登記がされている。根抵当権者Xとしては、甲の事業を引き継いだ丙と取引をしたい。この場合に相続の日から6ヶ月経過していない場合と6ヶ月経過している場合では、どのようにすればよいか。

【解答案】

 (6ヶ月経過していない場合)

丙を指定債務者とする合意の登記をすればよい。この場合、被担保債権は以下のとおりとなる

Ⅰ 相続開始の時に存する甲の債務(共同相続人の法定相続分に応じた相続債務)

Ⅱ 相続開始後に発生する丙の債務

ここで実務上問題になるのが、共同相続人が負っている相続債務である。通常は、丙以外の共同相続人は債権債務関係から離脱するのであるが、これをするためには次のいずれかの方法が必要になる。

A 相続開始後に丙に対して融資をして、相続債務を返済する(借り換え)

B 丙が他の共同相続人が負っている相続債務を免責的債務引き受けする

以上のA及びBの場合の登記手続きを検討してみると

Aの場合は、①相続による債務者変更登記 

        ②指定債務者の合意の登記

Bの場合は、①相続による債務者変更登記

        ②指定債務者の合意の登記

        ③他の共同相続人から引き受けた債務を被担保債権とするための被担保債権の範囲の変更登記

というようになる。ややこしいのはBの手続における③についてであり、被担保債権の範囲と同時に債務者を変更することが多い。この債務者変更は「指定債務者丙」を「債務者丙」に変更するのであり、丙から丙に変更ということで一見無意味に思えるが、登記実務上この変更登記をしないと追加設定の際の記載が複雑になるとの理由から債権の範囲の変更と併せて行うことがある。この場合、債権の範囲は「年月日債務引受(旧債務者 丁・戊)に係る債権」と「年月日相続による丙の相続債務のうち変更前根抵当権の被担保債権の範囲に属するものに係る債権」というものを加えることになる。

以上のように明らかにAの借り換えを行った方が効率が良いのであるが、実務上利率の問題や与信審査の問題でなかなか借り換えができないためBの方法によることが度々ある。

(6ヶ月経過している場合)

6ヶ月経過すると根抵当権は相続開始の時に確定したものとみなされ、相続開始の時に存する債務を担保する。本問の事例の場合、根抵当権者は相続人の一人である丙と取引したいということであり、通常は丙以外の共同相続人は債権債務関係から離脱することになり、甲の相続債務についても丙が単独で承継して行くことになる。

これをするためには、丙が他の共同相続人が負っている相続債務を免責的債務引き受けする必要がある。登記手続きは以下のとおりとなる

① 相続による債務者変更登記

② 免責的債務引受による債務者を丙とする変更登記

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支部研修事前課題①

24日(土)に所属する岐阜県司法書士会東濃支部の支部研修があります。今回の研修テーマは「根抵当権元本確定」でして、事前に課題が課せられています。

せっかくですので、私個人の事前課題の検討結果を順次アップしていきます。あくまでも個人的に検討しただけですので間違っている可能性があることをご了承下さい。

【問題1】

根抵当権の債務者甲が死亡した場合に当該根抵当権が担保している債権は何か?

【解答案】

相続開始後6ヶ月以内に合意の登記をするか否かで異なるが、6ヶ月以内に合意の登記をしなかったと仮定すると、根抵当権は相続開始の時に確定したものをみなされるため、相続開始の時に存する債務を担保する。つまり、甲と根抵当権者との間で発生した債務とそれに対する利息損害金を担保することになる。

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2007年2月18日 (日)

岐阜青年司法書士会 定時総会

16日は、岐阜青年司法書士会の定時総会がありました。

総会出席者は30名ほどで、19時過ぎから開会しました。

総会は30分ほどで終了する予定でしたが、事業報告をしているうちに一つ一つの事業について話をしたくなり、どうしても時間が長くなってしまい、総会が終了した頃は20時をまわっていました。

今年度は、会社法施行、貸金業法改正、法テラス稼動、登記識別情報の問題など司法書士界に影響を与える出来事が数多くあり、必然的に青年会の事業も多岐に渡りました。この1年間、会長という肩書に重圧を感じていましたが、頼りになる役員と会員の協力によりなんとか無事に終えることができました。

皆様に感謝の気持ちで一杯です。

総会で選任された新会長と新役員は、頼りになる人達ですので安心して事業を引き継ぐことが出来ます。次年度も青年会に課せられる課題は多くあると思いますが、新会長のもと一つ一つを確実にこなし、青年会を盛り上げていって欲しいと思います。もちろん、私も全面的に協力いたしますので、よろしくお願いします。

この日の夜は、美味しいお酒を飲むことが出来ました。

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2007年2月15日 (木)

瀬戸簡裁

いつもは、地元の裁判所に行くことが多いのですが、本日は少し足を延ばして瀬戸市の簡易裁判所に口頭弁論のため行ってきました。

雪がちらつく中、山道を車で50分程行くと瀬戸市の市街地に着きました。簡易裁判所は地図で見ると瀬戸市役所の近くに載っていましたので、すぐ見つかるだろうと思っていましたら、広い道路から一本奥に入ったところに位置しており、見つけるのが大変でした。

瀬戸簡裁は、小さな裁判所であり、建物は2階建てです。1階は受付窓口とトイレと関係者控え室、2階は法廷が2部屋(1つはラウンド法廷)と調停室が3部屋です。

本日は、判決言渡しが2件、口頭弁論が8件ありました。口頭弁論のうち4件は、消費者金融や信販会社が原告のいわゆる「業者事件」でした。ちなみに私は業者事件ではなく一般民事事件です。

口頭弁論は30分きざみで1件ずつとなっているため、裁判所に到着した時には私以外の人は一人しかいませんでした。裁判所の書記官は気さくな人で、ラウンド法廷でもあったため落ち着いた雰囲気の中で口頭弁論は進められました・・・。

瀬戸簡裁が終わってからは、瀬戸市役所→瀬戸の法務局→多治見市役所→多治見の法務局→多治見の地裁と用を済ませて事務所に戻ってきました。

さて、これから事務所でもうひと仕事です!

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2007年2月 8日 (木)

今日は何の日?

今日は何の日か?

一般的には「針供養の日」ですね。

またマニアックなところでは「郵便マーク(〒)の日」です。

そして、私のブログ開設記念日(1周年)です!

何とか1年間続けることができました。ブログのおかげで普段気に留めていなかったことに気付くことができました。

最初の1年間は、内容の薄い記事が多かったですが、徐々に充実した内容になるよう頑張りますので、今後も暖かく見守ってください。

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2007年2月 6日 (火)

抹茶の日

本日、2月6日は「抹茶の日」らしいです。

茶道のお点前で釜をかけて湯をわかす道具に風炉(ふろ)があり、2月6日が「フ(2)ロ(6)」ということで抹茶の日と定められたそうです。

ということで、今日の晩酌は焼酎の抹茶割りにしてみようかなと考えております。(さっさと仕事を片付けて帰らなければ!)

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2007年2月 1日 (木)

仕事の合間

今は18時50分です。

今日は、21時に相談者が事務所に来る予定になっているため、これから2時間程事務所で雑務をこなす予定です。

まず、青年会の会長職を次年度へスムーズに引き継げるように資料を整理。

それから、受任している事件記録に一通り目を通して整理。

その後、司法書士会から届いた郵便物を整理。

そして、インターネットを見ながら缶コーヒーを飲んで一休み。

たぶんこれくらいやると21時になるでしょう。

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