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2007年2月22日 (木)

支部研修事前課題④

【事例】
 不動産A

    所有者:甲

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

 不動産B

    所有者:乙

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

【問題1】

不動産Aについて、根抵当権者Xの差押(競売開始決定)登記がされた。根抵当権者Xが代位弁済を受ける場合、不動産A・Bに対し、元本確定の登記が必要か。

【解答案】

民法第398条の20第1項第1号に「根抵当権者が抵当不動産について競売・・・による差押えを申し立てたとき。ただし、競売手続・・・の開始又は差押えがあったときに限る」と規定されており、本問の場合、不動産Aに差押登記がされているため根抵当権は確定している。不動産Bについては、民法第398条の17第2項により共同担保の場合「一個の不動産についてのみ確定すべき事由が生じた場合においても、確定する」と規定されているとおり確定している。

しかし、不動産Bについては、登記簿上確定していることが明らかといえないため、元本確定登記をしなければ代位弁済による根抵当権移転登記をすることができない。

【問題2】

根抵当権者Yが代位弁済を受ける場合はどうか。

【解答案】

民法第398条の20第1項第3号に「根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき」元本が確定すると規定されている。この二週間の起算点はまさに「知った時」であり「差押の登記がされた時」ではなく、知る手段については制限がない。通常は、裁判所書記官からなされる競売開始決定の通知を受け取ったときである。

本問のように根抵当権者以外の者の申立てによる差押の場合、根抵当権者Yの意思に基づくものではないから、差押の効力が消滅したときは、原則として元本は確定しなかったものとみなされる。

ただし、差押の効力が消滅する前に元本が確定したものとして、その根抵当権を取得した者がいるときは元本は確定したものとして取り扱われる(民法第398条の20第2項)。
これを受けて不動産登記法第93条では「・・・当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せて・・・」申請した場合には当該根抵当権の登記名義人が単独で元本確定登記を申請できるとしている。

【問題3】

根抵当権者Xが競売を取下げ、差押登記が抹消された。根抵当権者Xが、代位弁済を受けていた場合に不動産Aについて確定登記は必要か。

【解答案】

民法第398条の20第2項に「競売手続の開始若しくは差押え又は同項第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす」と規定されているが、根抵当権者自身が競売を申立てた場合は除外されている。よって、本問の場合も根抵当権は確定したままである。

次に代位弁済を受けるにあたり確定登記を要するか否かについては、差押が抹消されたとして登記簿上根抵当権の元本が確定していることが判明するから、代位弁済による移転登記の前提として、元本確定の登記をすることを要しない。

さらに、このケースで根抵当権者Yが代位弁済を受けていた場合に不動産Aについて単独で確定登記申請ができるか否かについては登記先例(平11.3.30、民三第642号民事局第三課長回答)があり「・・・当該根抵当権の被担保債権の譲渡が競売開始決定を原因とする差押登記が抹消される前にされているときは、(単独申請を)受理することができる。」とされている。

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