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2007年2月23日 (金)

支部研修事前課題(おまけ)

ブログを始めて初めてシリーズものにした事前課題の検討ですが、あくまでも個人的に検討しただけであり、間違っている可能性があることを申し添えます。

さて、事前課題にはありませんでしたが、実務においては根抵当権設定者である会社が破産をして実体上元本確定しており、保証会社から代位弁済を原因として根抵当権移転登記をするために元本確定登記をしなければいけないというケースが多くあります。

これまでの検討によれば、このケースは元本確定登記と根抵当権移転登記を併せて申請すれば根抵当権者が元本確定登記を単独申請できます。

しかし、実際には根抵当権の取得に関する手続が遅れる等の理由で移転登記に先立って元本確定登記をして欲しいという依頼があります。

この場合には、根抵当権者からの元本確定請求を内容証明郵便で行う方法によりますが、確定請求を会社の破産管財人に対してすることになり、破産管財人に確定請求が到達した日を原因日付として元本確定登記申請を行います。

この確定請求に矛盾があるのに気付いたでしょうか。つまり、会社が破産した時点で確定の効力が生じているのに、その後に確定請求をする行為は、実体上は何ら効果が生じないのではないかということです。

この矛盾について、登記研究(テイハン)の平成18年12月号に記載があり、以下のような事情を総合的に考慮して「たとえ実体上の元本確定と登記記録上の元本確定とで齟齬が生じる可能性があったとしても、実体上、元本が確定したことが(確定日のいずれかはともかく)覆滅する可能性がないのであれば、破産手続開始決定の後にされた元本確定請求を原因として元本確定の登記を申請することを認めることが相当と解される」としています。

① 根抵当権者からの確定請求が民法改正により新設された趣旨

② 元本確定登記ができずに根抵当権の処分の登記ができないという不都合

③ 実体との齟齬が生じ得るとしても、元本確定の登記は確定の事実を公示するものにすぎないので、これにより実体上何らかの不都合が生じることも考え難いこと

④ 不動産登記簿上元本確定事由が既に存在していることが必ずしも明らかでなく、その後にされた確定請求を原因とする元本確定登記申請を受理せざるを得ないことになる実情

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コメント

 研修会の場で、西川さんから、小司さんのブログに、模範解答が書いてある事を聞き今日読まさせていただきました。研修会前にこの事を知っていたらと、残念です。
 さて私は以前、内容証明の送付先でちょっともめました。破産手続中の件で、弁護士さんは、当然弁護士宛に送るべきだと言われ、それでは登記は出来ないからと、本人と弁護士あて両方に送付してもらいました。本当は、本人から弁護士への委任状と弁護士宛の内容証明でやるべきかなと思いましたが、弁護士の介入通知書しか無く、時間もないので
本人宛の方で登記しました。

投稿: 遠山恵子 | 2007年2月26日 (月) 15時43分

遠山さん、研修会お疲れ様でした。
ブログは、あくまでも個人的な検討であって模範解答ではないですよ。

内容証明の送付先というのは、確定請求のことですか?

以前、債務者が会社の確定請求でしたが、管財人弁護士宛に送付した確定請求で確定登記をしたことがあります。
登記官から「確定の日付がおかしくならないか?」と指摘されましたが「破産の効力が消滅すると元本が確定しなかったとみなされるので、確定請求する意味が全く無いとは言い難い。また、破産法に規定されている破産管財人の権限等(破産法78条以下)を勘案すれば破産管財人に対して送付しても構わないと考える。」と説明して登記してもらいました。
その後、登記研究(H18.12)に破産と確定請求に関して記載がでましたので、今では管財人宛の確定請求でも問題なく登記できるのではないかと考えています。

投稿: 小司隆信 | 2007年2月26日 (月) 18時59分

 文章力が足りなくて、ゴメンナサイ。このケースは弁護士さんが破産手続きの受任をしているが、まだ裁判所に申立てしていない状態です。 債権者は弁護士からの介入通知を受け取ると、それ以後の交渉・通知等は弁護士宛に、することになっていますが、この件がそうでした。
 もちろん破産管財人が選定されていれば、問題なかったのですが・・

投稿: 遠山恵子 | 2007年2月27日 (火) 09時42分

なるほど、そういうケースでしたか。
確定登記ひとつでも多くの論点があるものですね。勉強になります。

投稿: 小司隆信 | 2007年2月27日 (火) 16時18分

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