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2007年2月21日 (水)

支部研修事前課題③

【事例】
 不動産A

    所有者:甲

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

 不動産B

    所有者:乙

    1番根抵当権(根抵当権者:X 債務者:甲 共同担保目録あ)

    2番根抵当権(根抵当権者:Y 債務者:乙 共同担保目録い)

【問題1】

甲が破産手続開始の決定を受け、不動産Aに破産の登記がなされた場合、1番根抵当権と2番根抵当権はそれぞれどうなるか。

【解答案】

民法第398条の20第1項第4号により、根抵当権は「債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき」に確定する。しかし、民法第398条の20第2項により、「破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす」とされている。さらに但書きで「元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない」とされている。

これを本問に当てはめてみると破産の登記がなされたという時点で、根抵当権者Xの根抵当権については債務者兼設定者である甲の破産であり、根抵当権者Yの根抵当権については設定者甲の破産であるため、両方とも確定することになる。

なお、民法第398条の17第2項により共同担保の場合「一個の不動産についてのみ確定すべき事由が生じた場合においても、確定する」とされている。

【問題2】

根抵当権者Xは、債務者甲の保証人Zから代位弁済を受けた。不動産A・Bの根抵当権についてXからZへの移転登記はどのようにしてやるか。

【解答案】

代位弁済による根抵当権移転の前提として、根抵当権が確定している必要がある。本問の場合、甲についての破産の登記がなされているため、不動産Aは確定事由が登記簿上明らかであるため確定の登記は不要である。しかし、不動産Bについては、根抵当権移転登記の前提として、設定者乙と根抵当権者Xとの共同申請により元本確定登記をする必要がある。

ここで、実務上しばしば問題になるのが、不動産Bの所有者である乙から委任状がもらえない(理由はさまざまである)ということである。

根抵当権設定者が確定登記に協力しない場合には「判決による根抵当権者の単独申請」「判決による代位弁済者の代位権行使」「根抵当権者による競売申立」が考えられるがいずれの方法も手続が煩雑であることから不動産登記法第93条に根抵当権者からの単独申請に関する特例が設けられている。

単独申請ができるケースは以下のとおりである。

A 根抵当権者が担保すべき元本の確定を請求した

B 根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過した

C 債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けた

B及びCの場合には、元本確定登記と根抵当権移転登記の申請を併せて行う必要がある。

本問の場合、Cに該当するため、XからZへの移転登記と併せて元本確定登記を行うことによって、乙の協力が得られなくてもX単独で元本確定登記ができる。

【問題3】

甲が会社の場合はどうか

【解答案】

平成17年1月1日に施行された破産法第258条により破産者が個人でない場合は、商業登記簿に破産登記がされるだけで不動産登記簿には破産の登記がなされない。したがって、不動産A、不動産Bの双方とも登記簿上元本確定が明らかでないことになる。

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